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CLINICAL APPROACH
倦怠感
 
 
 
 
■倦怠感
 

西洋医学には疲労という状態は病気ではないと考えられています(慢性疲労症候群をのぞく)。ですから、基本的に西洋医学では薬などによる治療は行いません。検査を行ったにもかかわらず、異常が見当たらず、「体に異常はありません」と言われることが多い症状であることも事実です。「では、この体のだるさの原因は何でしょう」と聞くと、精神的なものが原因であるとの意味で、「気のせいではないでしょうか?」と言われてしまうこともあります。

体がだるいという症状は、医学的には「倦怠感(けんたいかん)」と呼ばれ、貧血や低血圧、肝臓や腎臓の障害、あるいは肺炎など、多岐にわたる病気でもみられる症状です。自分自身が体調に注意をはらい、脳が発信する疲労感というSOS信号を素直に受け入れ、小休止や休息、睡眠、数日間の休養、栄養補給という疲労回復の方法を適宜、とることが必要となります。

疲れが取れない、朝起きるのがつらい、病院に行っても原因が分からない―。こうした症状の原因の一つとして、最近、さまざまなホルモンを分泌している副腎の機能が低下してしまう「副腎疲労」の可能性が指摘されています。副腎は腎臓の上にある小さなピラミッド型の臓器で、抗ストレスホルモン(コーチゾール)を分泌しています。ストレスで副腎が疲弊してくるとホルモンの分泌が悪くなりストレスに対処できなくなり、慢性疲労やうつ症状などの症状が出ます。これが、「副腎疲労症候群」です。

疲労感は主観的なものなので、本人がどれほど〝疲れている〟と思っても、検査結果に異常がないと病名がつきません。すると途端に、〝根性がない〟〝気のせい〟という言い方をされ、気づくと〝怠け者〟にされてしまいます。副腎疲労症候群かもしれません。

漢方医学の考え方の一つに「気(き)・ 血(けつ)・ 水(すい)」という考えがあます。この三つの要素が過不足ない状態で体を巡ることによって体の恒常性を維持していると考えられています。この三要素の中の一つである「気」の不足が体のだるさと関係しています。「気」とは元気、気力、気分、やる気の気であり、気は体に存在する根源的なエネルギーと考えられています。この気が不足した状態、つまり、体のエネルギー欠乏状態を漢方医学では「気虚(ききょ)」と呼んでいます。体のだるさは、この気虚の代表的な症状です。

この世に生まれ出た後、人は呼吸や食事、飲水によって体を維持しています。人は呼吸によって酸素を体に取り込み、飲食物を消化・吸収することによって水分やタンパク質などを体に取り込んでいます。漢方医学が発生した2000年以上前には酸素やタンパク質というものは分かっていなかったので、漢方医学では、人は胃腸などの消化管を通して飲食物から、肺を通して空気から気を取り入れていると考えたのです。

胃腸の調子が悪かったり、肺の病気があったり、あるいは飲食物や空気が十分な気を含んでいなかったりすると、気の取り込みが不足して十分な気の量を維持できなくなってしまい、気の量が不足してしまいます。この気の量の不足が気虚という状態です。胃の調子が悪いと、次第に体がだるくなることがあると思います。これは、胃腸から吸収される気が少なくなったために気虚を生じた結果、体がだるいという症状がみられるのです。

一方、気の使いすぎによっても気の不足である気虚が生じます。気は体の中で常に消費されていますが、いわゆる「気を使う」ことが消費過多を引き起こすことがあります。気虚という病態は様々な要因で生じますが、多かれ少なかれ、気虚という状態になると体がだるいという症状がみられます。

 

 
 
 
 
 
 
 
 
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